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■コラム

002. 2018/08/14

KW-RC1の回路シミュレーション 











回路のシミュレーションが行えるソフトといえば"SPICE"が有名ですが、
直感的にすぐに使用出来るものではないと思っています(憶測で書いているので今度、試してみます)
対するものとして"Falstad"というのはご存知でしょうか。
Web上で簡単に操作出来るシミュレータです。

falstad.com/circuit/




上部メニューの「Circuits」から回路例を選ぶことも出来ますし、
そうでなくともマウスで部品を選択して、
簡単に電流の流れを視角化したり、オシロスコープで測った時のような表示も出来ます。








ここで、当製作所のKW-RC1 ブリッジ型全波整流回路のシミュレーションをしてみることにしました。









詳細を説明させて頂きますと、電源はコンセントからとりますので、100V(Vp-p:141V)です。
そこにセンタータップ付きの正負で15V(Vp-p:21.15V)へと変換するトランスを接続します。
中央部のダイオードブリッジはKBJ-410で順方向電圧Vfが1.1Vです。
整流後はコンデンサのみで平滑し、その容量は正負でそれぞれ32189uFとなります。




そして、シミュレーション結果が上の画像です。
負荷を1Mとしていることもあり、トランスの2次側の電圧は21.15V(-21.15V)のまま。
整流後の電圧は20.67Vとなりました。













次に負荷を変え、100mA流すようにしてみました。
トランスの2時側は少し波形が潰れているものの、
整流後は19.05Vと19.03Vという違いで、0.02Vしか変動が生じません。
各種回路の前にはレギュレータが配されていることを考えれば問題ないでしょう。
DACを作成する時の電圧変動はこの程度を想定しています。













今度は1A流すように負荷を設定しました。
明らかに二次側が乱れ、整流後の電圧波形にも16.64Vと16.47Vと0.17Vの変動がある
リップルが確認出来るようになりました。
理想条件のシミュレーションと実際とは異なりますが、KW-RC1の実力はこの程度のようです。













番外編です。
世の中の整流基板の中には6800uFのブロックコンデンサ1個で平滑を行っているものもあります。
その場合をシミュレーションすると、出力は17.15Vと16.32Vという
0.83V差の大きい値で波打っているのが確認出来ました。
こういった基板はあまり電流を流さない条件での使用を想定、もしくは小型化を優先したものですが、
シミュレーション時のような特性を持っていることを頭に入れておかなくてはなりません。








大きな電流を供給できるトランスは重いですし、
リップルを防ぐためにコンデンサの容量を大きくしていくと筐体も大きな物が必要となってきます。
オーディオの世界で言う、重くて大きなアンプ程、音が良いというところを数値で感じることができました。




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