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■コラム

006. 2018/09/22

DACやフィルタ回路でのオペアンプ選定 









オーディオのようなアナログ回路においては、オペアンプが重要な役割を果たします。
電流出力型のDACの後段には、IV変換用のオペアンプ、
その後ろには差動合成とオーディオ帯域外のノイズをカットする為のアクティブ帰還のLPF。
ヘッドホンアンプやパワーアンプにおいても、KW-MHA1KW-MPA1のように、
オペアンプの電流を合成していくような回路としたのは、
"MUSES"という真実の音を追及しているオペアンプの特性がそのまま出るようにしたいが為になります。




その上で今までどのようなオペアンプを選択していたかというと、
高速性が求められるところにはLINEAR TECHNOLOGYのLT1357やBurr BrownのOPA627を。
データシート上の性能ではなく、音楽的な性能(という表現が正しいかどうかはさておき)
が求められるところには新日本無線のMUSESシリーズを。
どちらかというと多少のノイズは許容して、速度に振った選択をしていたのですが、
今一度、市場で手に入るオペアンプの中から選択し直してみることにします。








と言いつつも「市場で手に入る」みたいな言い方をしてしまうと、
昨今の新しくて性能の良いオペアンプは表面実装品が占めています。
ただ、何か一品物を作るなら固定のアンプで決めつけてるものの、
色々付け替えて楽しむという一面も自作にはあるので、
今回はパッケージが8pinDIPの1回路、電圧帰還に限定して探してみることにします。




ここでどのような性能の物を選べば良いのかといえば、
おおざっぱに言ってしまえば高速で低ノイズのもの。
用途にもよるものの、ユニティゲイン周波数、セトリングタイム、スルーレート、
雑音密度、DCオフセット電圧、全高調波歪あたりの値を見ていくことにします。




比較するにあたって諸条件は異なるのですが、
各メーカーの製品ページを見て、目についたオペアンプを一覧表にしてみたのが以下のリストです。
粗検討なのでざっくりとしか見ていませんし、読み違えをしている箇所もあると思いますので、
正確な情報は各自にてご確認願いたいです。




項目 LT1357 OPA627 MUSES03 LT1360 LT1222 AD8047 LT1363
ユニティゲイン周波数[MHz] 25 15 12 50 500 130 70
セトリングタイム[ns](0.01%,10V) 220 550 - 90 120 30(2V) 80
スルーレート[V/us] 600 55 35 800 200 750 1000
雑音密度[nV√Hz](100Hz) 8 10 10 15 4.8 5.2 15
DCオフセット電圧[mV] 0.2 0.28 1 0.3 0.1 1 0.5


項目 LT1354 LME49710 OPA604 AD844 AD9631 AD811 AD829
ユニティゲイン周波数[MHz] 12 55 20 60 175 140 120
セトリングタイム[ns](0.01%,10V) 280 1200(0.1%) 1500 100(0.1%) 16(2V) 65 90(0.1%)
スルーレート[V/us] 400 20 25 2000 1500 2500 230
雑音密度[nV√Hz](100Hz) 15 3.2 16 2(1k) 8 1.9 1.7
DCオフセット電圧[mV] 0.3 0.05 1 0.05 3 0.5 0.2


項目 AD848 AD8010 AD8047 THS4631 AD797
ユニティゲイン周波数[MHz] 175 230 130 325 110
セトリングタイム[ns](0.01%,10V) 100(0.1%) 25(0.1%) 30(2V) 190 800
スルーレート[V/us] 300 800 750 900 20
雑音密度[nV√Hz](100Hz) 3(10k) 7.5 5.2 15 1
DCオフセット電圧[mV] 0.2 5 1 0.26 0.025




ここから、CD音質であればスルーレートが20V/usあれば充分だけれど、
ハイレゾを見据えると不十分だよね、というものや、
雑音密度が10nV√Hzを越えてくる物は避けたいとか
DCオフセット電圧も数mVとなるものは止めておこうか、という基準から絞っていきます。
安定性が悪い物もです。





項目 LT1357 OPA627 MUSES03 AD8047 AD9631 AD810 AD829
ユニティゲイン周波数[MHz] 25 15 12 130 175 80 120
セトリングタイム[ns](0.01%,10V) 220 550 - 30(2V) 16(2V) 125 90(0.1%)
スルーレート[V/us] 600 55 35 750 1500 1000 230
雑音密度[nV√Hz](100Hz) 8 10 10 5.2 8 3 1.7
DCオフセット電圧[mV] 0.2 0.28 1 1 3 1.5 0.2
THD+N[%] 0.0006 0.00003 0.00003 0.05 0.0002 0.09 0.006




結果を見ると、私の好みのせいか、見覚えのあるオペアンプばかりが残っています(笑
当製作所では結構な製品でLT1357を薦めているのですが、
雑音密度がそれなりではあるものの、高速性を重視すると悪くない選択に見えます。


他には、IV変換にはAD829やAD8047も良さそうに見えるのですがどうでしょうか。
ノイズやDCオフセット電圧の値が悪いですけれど。


後はデータシートの値を絶対視しなければ、MUSES03とOPA627が
ドライブ段とかの選択肢に入ってきます。


フィルタ回路には何を使うか…迷いますね。
LT1357かOPA627になるか。
価格も考慮するならば、低ノイズのLME49710も良いかもしれないです。







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